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敷地面積  129.46u
建築面積   63.34u
延床面積  140.77u
地下1階   地上2階
地下RC造・地上木造
施工 株式会社 中村建設

敷地は須磨の高台にありました。。眼下には神戸の街並みが見え、
その奥には、大阪湾が春の陽射しの中、輝いていました。

明るく、開放的で、なおかつ、プライバシーが守れるような家、
それが我々に与えられた命題でありました。


新しく造成された住宅地の北側接道の敷地でした。つまり、敷地の
東、南、西の三方は敷地境界の近くまで、隣地の家で埋まることが
想定されているわけです。また、必要とする部屋の数、広さに対し
敷地の面積は少々物足りないものでありました。

そこで、我々は、建物全体をL字型に計画し、敷地の東南に光や風
を取り入れるオープンスペースを配し、それに面して居室を配置し
ていくという手段を選択しました。

また、建物の南半分と北半分を半階ずつずらす、スキップフロアを
採用しました。北半分を1階、2階の2フロア、南半分を半地下階
中2階、中3階の3フロアにて計画し、その間を階段、廊下のスペ
ースでつなぎ、風と光の抜ける縦の動線を確保しました。

半地下の部分にはダイニングキッチンが配され、オープンスペース
に設けられたデッキ材によるライトコートにより、十分な採光と通
風を獲得しています。半階上の1階部分は和室(茶の間)を隣接し
て持つリビングルーム、2階は寝室、中2階、中3階は個室です。
バスルームとレストルームは各個室からの距離が近い、2階に配し
ました。中3階の上、屋根のレベルには海を見るための小さなバル
コニーを設置しました。

住宅は人生という演劇の舞台です。出演者の家族が演じる1つ1つ
のシーンを素晴らしいものにするための舞台構成の演出。機能的で
ゆとりがあって、開放的で、明るい。
家族のつながりを高めて、 なおかつそれぞれが自由に生活できる。
そんな住宅を目指しました。


                    
                   山岡哲哉建築設計事務所  山岡 哲哉

M-HOUSE suma 2004

撮影 玉森潤一